「ディフィックキャット:アルティメットXの謎」
著者:マリア・ダナマ 日本語翻訳:もりりん
第3章
「あー、さっきのバトルで腹減ったよー」ビットがチームブリッツの面々に話した。
「私もお腹が減ったわ」リノンが言った。
「だったらみんなで夕食でも食べにでも行くか」トロス博士が大声で言った。
ちょうどみんなが部屋から出ようとしたときに電話が鳴った。
「オレがとるよ」ビットはそう言うと受話器を取った。
「こんばんは・・・あ?ハリーじゃないか・・・ん?リノンはいるぜ・・・
でも夕食食べにいくところだから電話には出られないぜ。ん?会いたいんだったら
来ればいいぜ」
「ビット!何かあったの?」リノンがビットに大声で叫んだ。
「(リノンが)ヤツに来て欲しいのかと思ってさ・・リノンってハリーのヤツをチームに
入れたいんだろ??」ドアから出てきたビットが答えた。
「もしハリーと話すなら、私は・・・・とハリーに誓うんだろ」
怒ったリノンはもちろん金切り声をあげてビットを追いかける・・・それを見てジェミーと
トロス博士は笑った。
ハリーはレストランで花束を持ってリノンのことを待っていた。
「は・・・ハーイ、リノン」ハリーはこわごわと話しかけた。
「は・・・はい」リノンは答えた。
「知っているか?」ビットは意地悪く言った。「うちでミーティングやっている
とき、リノンのヤツ何言ったと思う?!」
ビットの口をリノンの手で塞いだ。赤面したリノンは言った。「何も重要なこと言ってないわよ!
ただバラッドに代わるゾイドウォーリアーを探す必要があるってことを言っただけよ!!」
「おーっ、そうなのかい?なぜバラッドのヤツは辞めたんだい?」ハリーは尋ねた。
「それはすべてビットのせいよ。ビットが馬鹿やって・・・」リオンが答えた。
「まぁ、少なくともオレはハリーなんかをチームに加えようなんて思ってないぜ・・・」ビットはぶつぶつ言った。
リオンは再び赤面し、こわごわと笑いつつ、ビットの腹にひじ鉄(エルボー)を喰らわした。
「あぁ、リノン」ハリーが言い始めた。「だったらうちのセバスチャンとベンジャミンはどうだい?!」
「心配しなくていいよ、ハリー」ビットが答えた。「それはただリノンがハリーがいいって言っただけで、うちら
笑ってしまったもんなぁ」
怒ったハリーは拳を握り大声で言った。「んー!僕のリノンのことを笑うな!ビット・クラウド!オレ様が
チームブリッツのゾイドウォーリアーでもいいだろ?!」
「ちょっと!とりあえずケンカしないで、食べない?」リノンが言った。
「あぁ、もう腹減ってしょうがねーよ」ビットが言った。
ハリーが答えた。「もちろん。リノンのためなら何でも・・・」
それから彼らはレストランの中に入り、夕食を注文した。注文の品が出てくる間にふとリノンは広告を拾い上げた。
リノンが言った。「見て。カリエントロン市(注釈:作者の付けた物語上の都市名"Calientron City")郊外の
洞窟を探検ツアー!って書いているわ。うちから近いじゃない。明日そこに遊びに行かない?」
「んー」トロス博士は考え始めた。
「どうかお願い。パパ〜」リノンが懇願する。
「まぁ・・・いいだろう」トロス博士がリノンに言うと、リノンは喜んだ。
「何百万年にわたってできた岩の層がどのように構成されているか見るのは面白いかも・・・」ジェミーがひとりぶつぶつ言い出した。
ハリーはおどおどしてリノンにささやいた。「僕がリノン、君と一緒に行くとしたら問題あります??」
「もちろんリノンはそう思わないぜ」ビットが言った。「リノンはハリーのヤツがだーい好きだもんな!」
「うぐぐぐぐ。ビット!!」リノンは叫んだ。
「おいおい、注文の品来てるぜ」ビットがリノンのことをほくそ笑んだ。
夕食が終わり、チームブリッツのメンバーはハリーと別れ、就寝するためにホバーカーゴに戻った。そして明日洞窟を探検ツアーに行くことになった。
第4章
そして翌朝。日の出と共にドアをノックする音が。
「はえーなぁ。ハリー!!」ビットは枕で自分の耳を塞いで大声で叫んだ。
「むにゃむにゃ。数時間で戻ってきてくださいね。僕たちはまだ寝ていますからね」ジェミーが言った。
「バスターキャノン!ドーン!ドカーン!」トロス博士はシャドーフォックスをバスターキャノン砲で
打ち落とす夢を見ているようだ。
すでに目が覚めていたリノンは着替えも済み、これから朝食を作るとドアに向かって答えた。
「ハリー、こっちに入れるわよ。でも静かに。まだ他の人が寝ているわ」
「わかったよ」ハリーが答えた。
「で、朝食何を作っているの?」ハリーが尋ねた。
「あああ〜、どうせ料理を焦がすのがオチだろ」眠そうな表情で階段を下ってきたビットが言った。
「私そんなことしないわよ!」リノンが大声で言った。
「だろ?」ビットが答えた。
「しないわよ」リノンが言った。
「いいや、するって」ビットが言った。
「だからしないって!」リノンが叫んだ。
「そうだって」ビットがリノンをだますような感じに言った。
「そうよ!」リノンは思わず言ってしまった。
「おや?リノン言ったぜ。そうだって。おやおや焦がしているぜ」
案の定料理は焦げてしまった。リノンが焦げて真っ黒になった朝食を見て言った。「ビットの馬鹿!!なんでこういうことさせたのよ!」
ビットとリノンがケンカしてやかましいので、トロス博士とジェミーが起き出した。
「さっきからなんかうるさいけど何かあったんですか?」ジェミーが尋ねた。
「ビットのヤツが朝食をダメにしたのよ!」リノンが答えた。ビットが笑った。
「心配しないでください。セバスチャンとベンジャミンが料理しますよ。二人とも
優秀なコックですよ」ハリーが申し出た。
「じゃ私は違うっていうの?!」リノンが尋ねた。
「あ・・・いえ・・・僕はそういう意味で言っているわけではなく・・・」
「それはすばらしいアイディアだよ。ハリーくん」トロス博士が言った。
そしてセバスチャンとベンジャミンはブリッツの面々とハリーのためにおいしい
料理を作った。彼らは話したりして食事を楽しんだ。
朝食が終わった後、みんなはハリーが所有する最も立派な新車に乗り込み、昨日言っていた
洞窟に向かって走り出した。そしておよそ15分後にその洞窟に到着した。
ツアーガイドが出てきて言った。「ようこそシルバームーン洞窟へ。安全に
洞窟を探索するためにこのヘッドホンを着用して頂きます。このヘッドホンは
洞窟の管理センターと繋がると共に、他のチームのメンバーとの通信も可能です。
もし何か問題がございましたら助けを求めてコールしてください。そうすれば
私たちの方で認識します。またすべてのヘッドホンには自動追跡装置が付いています。
次に洞窟のご案内ですが、4つの入口がございます。一つ目の入口はクリスタル(水晶)区域、
二つ目が化石区域、三つ目がエコー穴区域、最後に四つ目がイクストリーム(果ての世界)区域です。ちなみに
イクストリーム区域は最も危険な区域です。みなさんはヘッドホンを着用して、入口を
選択して頂き、中に入ってもらいます。しかしながら夕方まで洞窟内にいたくない
場合は昼間のうちに戻ってくるのもいいです。夜になりますと洞窟内は暗くなりますので。
で、何かご質問はございませんか?」
「ございません!」トロス博士が答えた。
「わかりました。それでは楽しんできてください。暗くならないうちに戻ってきてくださいね」
「私は1番の入口がいいわ」リノンは他のメンバーに話した。
「私はエコーのところがいいな」トロス博士は言った。
「そりゃオレはイクストリームしかないでしょ!」ビットが叫んだ。
「化石っていうのは興味深いんですよ。これは行かなくては。化石っていうのは何百年にもわたって
形成される・・・」またもやジェミーの語りが始まった。
「ハリーはどうするの?イクストリームのところに一緒に行くのかい?それともリノンと
一緒にクリスタルに行くのかい?」
そして、チームブリッツの面々の行動が始まった。
リノンはゆっくりと洞窟の一番目の入口に入った。そしてハリーは後ろから後に続いていった。
「わー、ハリー見て。綺麗な岩だわ」
「ああ、そうだね」ハリーはこわごわと言った。
リノンはますます洞窟の奥地へと進んでいった。
そしてしばらくしてハリーが言った。「なぁ、リノン」
「なに?ハリー」リノンは水晶を見ながらもっと奥へと進んでいった。
「んー、もう午後3時だよ。そろそろ引き返さないか」
「おお、ハリー。洞窟内の水晶がどんどん綺麗になっているのよ。もうちょっとだけ行っていい?」
「わかりました。もうちょっと待ちましょう」ハリーは答えた。
「ハリー、あなたってステキ!」リノンは叫んだ。
「はははは、ありがとうマイハニー」ハリーは赤面して言った。
しかし事態は急変した。「きゃーーーーーーーーーーっ!ハリー!!助けて!!!」リノンは洞窟の地面にあった大きな穴に足を取られ落ちてしまい、叫び声を挙げた。
「リノーーーン!!」ハリーは叫びながらリノンを追った。
その穴の奥へと着いたとき、そこは底なしかのような真っ暗の世界。まわりはじめじめしていて
なにかカビくさい。ハリーは偶然用意していた懐中電灯のスイッチを入れた。
「リノン!リノン!どこにいるんだ!」ハリーは叫んだ。
「ハリー!ここよ!」リノンが答えた。
「大丈夫だったかい?」ハリーが尋ねた。
「私は大丈夫。落ちた際にちょっとすりむいた程度で大丈夫よ」リノンはそう言いながら中途半端に笑った。
ハリーはリノンに手を差し出し、リノンはハリーの腕につかまった。
「で、私たちどこら辺にいるのかなぁ?」リノンはハリーに尋ねた。
「確かではないが、実際の洞窟の下のいわば、大洞窟だと思う・・」
「んー、どの位下に行ったか判断して、かなり遠いところに来ちゃったわね・・・」
「どうやって地上に戻ろうか?」ハリーが尋ねた。
「そんなの知らないわよ」リノンが答えた。
「でもハリー、予備のバッテリー持ってきてますよね?」
「もちろん、予備のバッテリーは持ってきてますよ・・・でも車に置き残したと・・」
リノンの表情が変化するのを見て、ハリーは「すまない・・ハニー」と付け足すように言った。
「大丈夫よ。私が馬鹿やっちゃって穴の下に落ちちゃって、こう洞窟の下まで行っちゃうなんて
こういう事態になるなんてわからないですもの・・・」
「僕はただリノン、君が怪我しなくてよかったよ・・・」ハリーはリノンに言った。
「あぁ、なんかわかった・・・」
「えっ、何?」ハリーが尋ねた。
「私が穴に落ちたとき、穴の下に何があるのか、またどのくらい深いか知らない状態で飛び込みましたよね」
「おお、何ともなかったが」ハリーが答えた。
「ちょっと待って・・・」リノンは叫んだ。
「それは何?」ハリーが聞いた。
「ヘッドホンよ。これには追跡装置が付いているのよ。今しなきゃいけないのは助けを
求める事よ。コールを送れば誰かしらに伝わるってツアーガイドが言ってたじゃない」リノンは興奮気味に言った。
「リノン、君は何て優秀なんだ!」ハリーがそう言うと、
「そんなことわかっているわ」リノンは返答した。
「ビット!・・・ジェミー!!・・父さん!!・・・管制室・・・!!!誰か?!」
しかし返答はなかった・・。
「あまりにも遠くに来てしまったのか・・・まったく返事が聞こえない・・・」
「ノー!!」リノンは叫んだ。
「私たちここで死ぬなんてイヤよー!」
「いいや。ここから脱出しなきゃ・・。でもいまだ解決の糸口が見つからない・・」
「私たちここで死んじゃうのよ〜!!」リノンは繰り返して言った。